おはようございます、柊木野(ひらぎの)です。
5回目となる『リーマスおじさん』シリーズ。今日で最後にします。
また何か思い出したら、書くかもしれませんが、何だか…おじさんをいじっているようで、少し罪悪感が出てきたのです。
そうそう、今日は本題の『リーマスおじさん』と呼ぶようになった経緯を書きます。
ある日、突然。
おじさんが病室から、何冊かノートを抱えて、デイルームに居た私のところにやって来ました。
座っていた私に向かって、「ほら、読んでくれ」とノートを差し出す、おじさん。
「え?何…?」
表紙を見ると、日付やら番号やらが書いてある。
「ワシが書いた日記、読んでくれ」
私はびっくりして、
「え?本当に、私が読んでも大丈夫なん?いいの?」
と聞くと、おじさんは頷くだけ。
せっかくなので、さっと斜め読みをさせていただきました。
その日記は、リーマス服薬の初日から始まっていたのです。
かなり強い語気で書かれた文体。
副作用が、しんどい…苦しい…
何で、こんな処方をするんだ!
俺をどうする気なんだ!!
辿々しい字体とともに、『魂の叫び』を感じました。
「ワシ、『リーマス』っていうリチウムが入ってる薬を飲んでてな…それが、しんどい」
内容は、リーマスを処方されての気持ちの揺れ・不快感や、回診の時に先生へ楯突いて、更に増薬されたりしたこととか、書かれていました。
私は読んだあと、開口一番。
「リーマス、ってそんなに副作用がしんどい?」
と、聞きました。
「ああ、しんどい。今も飲んでるけれど、しんどいよ」
躁うつ病は、難しい病気です。かなり、デリケートです。
ほんの少しでも、雲泥の差が生じるものです。
処方するからには、医師には責任を持って、もっと注意して診てもらわないと、本当に困ります。
まあ、どのお薬を処方する時でも、同じですがね。
だから、先週火曜日の連れの受診日、
「リーマス追加?」
と聞いて、とても心配になったのです。
とある精神科の先生は、実際に自分で服薬して、効能を体験してから処方するのだそうです。
「何も、そこまで…」
と思う医師が居られるでしょうけれど、そのくらいの覚悟で処方を決めて欲しいものです。
添付文書だけの知識で安易に処方すると、患者の方はたまったものではありませんからね。